愛知県議会議員 高橋正子 一宮市選出 新政あいち 

愛知県議会議員 高橋正子 一宮市選出
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○令和4年6月議会「総務企画委員会」一般質問
『南海トラフ地震の被害想定の見直しについて』質問しました。
 
 本年5月末の新聞報道で、東京都が首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直しを行ったところ、最大震度7の場合の都内の被害想定死者数は2012年の9,641人から、見直し後には6,148人と、約3,500人の減少になると公表された。地震による死者は建物の倒壊と火災が原因によるものが大半を占めることから、ここ10年で建物の耐震化や不燃化が進み、建物被害は3割以上減少するとも見込まれている。確かに、東京都では住宅の耐震化率もこの10年で81%から92%に上がり、延焼しやすい木造住宅密集地域が縮小していることも被害想定の減少に結びついていると分析している。
 この新聞記事を目にし、南海トラフ地震が30年以内に発生する確率が70%~80%と言われる中で、先週には石川県能登半島で震度6弱、震度5強という地震が連続して発生し、4月7日には愛知県でも震度4の地震が起きたことを思うと、必ず発生すると言われる、南海トラフ地震が頭をよぎる。
 そこで、首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直しされた報道と重ね合わせ、首都直下地震と同様に甚大な被害が想定される「南海トラフ地震の被害想定の見直し」についてうかがう。
 本県では、地震対策の行動計画となる「第3次あいち地震対策アクションプラン」を2014年12月に策定し、全庁一丸となってこれまで地震対策に取組んでこられたことは承知している。
 第3次アクションプランは、東日本大震災の教訓と東日本大震災を踏まえた本県の被害予測調査に基づき、2015年度から2023年度までの9年間を計画期間として策定されている。本県の地震対策はこのアクションプランに沿って進められてきたが、この間、2016年には熊本地震、2018年には大阪北部地震などが発生した。


【高橋正子】
 2014年にこのプランを策定した当初では想定できなかった被害の様相や新たな課題等も出てきたと思われるが、これまで、そうした新たな課題などに対してはどのように対応してきたのか?

【防災安全局】
 第3次あいち地震対策アクションプランは、2015年度からの9年間を計画期間とする長期期間であることから、毎年度継続的にフォローアップを行なってきた。対策の質を維持・向上させる仕組みである「PDCAサイクル」を取り入れ、フォローアップサイクルとして3年間を1つのサイクルとして、見直しの検討を行ない、必要に応じて改訂を行なうこととしている。これまでに行なった改訂としては、2014年12月のプラン策定以降、2016年の熊本地震の教訓を踏まえ、防災拠点となる市町村庁舎の耐震化などを追加する改訂を行なった。その後、2018年8月には、同年6月に発生した大阪北部地震の教訓や、プラン策定後6年間の進歩の検証などを踏まえ、避難所における感染症対策の観点を取り入れた防災対策の推進、愛知県基幹的広域防災拠点の整備などを追加する改訂を3回行なった。


 第3次アクションプランでは、熊本地震での教訓を踏まえた行動計画に修正を加えたり、あるいはプランは3年ごとに定期的な修正を行なっていることから、2018年と2021年に策定時には想定されなかった課題等についても適切に対応することで、本県の地震対策の充実を図ってきたことは理解できた。

【高橋正子】
 第3次アクションプランの計画期間は2023年度までとなっており、その後はどのように地震対策を進めていくのか?

【防災安全局】
 第3次アクションプランは、2023年度までの計画期間となっており、その後も切れ目なく、地震対策を進めていく必要がある。そのため、昨年度および今年度において、現行プランの計画期間中に実施した取組による減災効果の効果検証を行なっており、この結果を踏まえ、2024年度以降もしっかりと地震対策を進めていく。


 第3次あいち地震対策アクションプランは、2014年に公表された被害想定である「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査結果」と東日本大震災の教訓等を踏まえて策定されたものだと理解する。そうなると、東京都防災会議が発表した「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」のように本県も南海トラフ地震の被害想定の見直しが必要となってくると思う。

【高橋正子】
 現行プランは2014年に公表された被害想定を踏まえて策定されているので、この被害想定の見直しをどうするのか?も含めて今後の地震対策をどのように進めていくのか伺う。

【防災安全局】
 東京都防災会議が5月25日に発表した被害想定については、想定地震と想定被害量の両方の見直しを行なっている。具体的には、想定地震については、これまで対象にしてきた複数の地震のうち、「東京湾北部地震」などは、国の見直しを踏まえ、被害想定の対象から除外し、「南海トラフ地震」は国の見直しが行なわれていないことから、変更されていない。本県の想定地震は南海トラフ地震であり、国の見直しが行われていないため、東京都と同様に、見直す予定はない。
一方、想定被害量については、現行プランの計画期間中に実施した取組による減災効果の効果検証を行なっており、年末までに死者数及び建物の全壊・焼失棟数の被害量の再計算を行なうことにより、被害想定の一部を見直すこととしている。
具体的には、まずは想定浸水エリアが2015年度から2021年度までの7年間に実施した河川・海岸堤防、防潮堤の耐震工事により、どれだけ縮小したかを再計算する。この再計算した新たな想定浸水エリアと、今年度新たに更新する住宅・建築物の耐震化の情報、住民への津波避難に関する意識調査結果などをもとに、死者数や建物の全壊・焼失棟数の被害量を再計算し、現行プランの減災目標、達成状況を把握する。
この被害量の再計算に基づく減災目標の達成状況と現行プラン全体の進捗状況を検証することにより、課題を洗い出し、今後の地震対策を進めていく。

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