愛知県議会議員 高橋正子 一宮市選出 新政あいち 

愛知県議会議員 高橋正子 一宮市選出
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○令和元年9月議会「建設委員会」一般質問
「無電柱化の現状と今後の取組について」質問しました。
 
 9月の台風15号によって千葉県内で多くの電柱が倒れる被害や、倒木や飛来物により電線が損傷するなどして大規模停電が長期化したことをうけ、あらためて地震や台風の被害が受けにくい「無電柱化」の必要性が高まり、国土交通省では全国で無電柱化への対応を急ぐ考えを示した。ところが、この「無電柱化の促進」はこれまでも「景観の向上」や「防災のために」進められてはきているが、海外ではロンドンやパリ、香港では無電柱化率100%なのに、日本で最も進んでいる東京23区でも全道路の長さに対して8%しか実現していないなど、日本での無電柱化は大変遅れている。しかし、良好な都市景観の形成や大規模地震や台風などの災害時における電柱の倒壊によるライフラインの寸断や道路を塞ぐことによる避難・救助援助活動への支障を回避するために無電柱化が必要との声が高まっている。2016年には「無電柱化推進法」が施行され、2020年までに全国の道路1400キロで整備する計画を策定している。
 本県でもこの「無電柱化推進法」に基づき「愛知県無電化推進計画」を策定し、今後の無電柱化の基本的な方針、目標、施策などを定めて、計画性をもって無電柱化を推進していく。まずは現在、広く県民に意見を求めるためのパブリックコメントを行い、ちょうど10月4日で意見募集を終了したときく。

【高橋正子】
パブリックコメントをこの10月4日に終えて、どうだったのか?

【道路維持課】
パブリックコメントの期間中に1件のご意見をいただいている。都市部だけではなく地方や観光地の景観上重要な地域も、無電柱化を進めてほしいというものだった。

 現在策定を進めている「愛知県無電化推進計画(案)」を見たが、まずは本県の無電柱化の現状に「完全無電柱化への道のりは遠い」と思う。2018年3月現在で、愛知県が管理する道路全4,627kmの内、無電柱化は約30km で率にして0.7%。特に緊急輸送道路では、全長1,524kmに対して無電柱化された延長は約21kmで、率にして1%に留まっている。本県では電線の地中化計画を昭和61年から行っており、35年かけてこの進捗状況である。確かに一番無電柱化が進んでいる東京でも8%、大阪は6%と日本全体が無電柱化が進んでいない。

【高橋正子】
愛知県が管理する道路の全0.7%、緊急輸送道路に関しては1%という無電柱化率の現状についてどのようにお考えか?

【道路維持課】
本県の道路の無電柱化対策は、災害の防止、安全かつ円滑な交通の確保、都市や観光地などの良好な景観の形成などを目的として、電線類などの地中化を実施してきた。昨年度末までに電柱撤去まで完了している県管理道路の整備済延長は約30キロメートルあり、そのうちの約3分の2にあたる21キロメートルは、緊急輸送道路において地震などの災害防止を目的として整備を実施している。無電柱化対策については、低コスト化の取組が進めとともに、昨年「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」にも位置付けられることから、一層の推進を図っていきたい。

【高橋正子】
無電柱化が進まない大きな要因として言われているのが高コストにあって、1キロメートル5.3億円の費用がかかると聞く。しかし、国も無電柱化を推進していることから補助金もでているはずなのに、事業が進みにくい要因は費用のほかに何があるのか?

【道路維持課】
無電柱化が進まない主な原因としては「高コスト」と「事業期間の長期化」の二つがある。1キロメートル当たり約5.3億円の内訳は、約3.5億円が道路管理者、約1.8億円が電線類などの管理者コストとされており、大きな負担となっている。また「事業期間の長期化」については、道路管理者、電気事業者、通信事業者、地元のケーブルテレビ等が調整を図る必要があり、調整先や調整事項が多く、これが事業期間が長期化する原因となっている。無電柱化を進めるにあたっての課題は、電線類等の地中化の「コスト低減」「迅速な事業実施」が需要である。「コスト低減」についいては、地中化する工法として、管路を浅く埋める浅層埋設、小型ボックスを活用した埋設設置、電線類を直接埋設する工法など低コスト工法の実用化に向けて取組んでいく。地中化以外の無電柱化対策としては家の軒下に配線する「軒下配線方式」、裏通りに配線を移す「裏配線方式」、親切道路への移設などの「道路事業等に合わせた無電柱化」が有効な対策と考えている。また、県管理の緊急輸送道路においては、電柱の新設を認めない「道路占用制限措置」を昨年から実施。「迅速な事業実施」については、「愛知県電線地中化推進協議会」の活用が重要と考える。

 今後、この「愛知県無電柱化推進計画」に沿って事業をすすめていくわけだが、この9月に千葉県を襲った台風15号による電柱の倒壊、大規模停電の被害拡大で電柱の地中化の機運も高まってきている。計画の中では、2019年度から2020年度で、豊田市内の一般国道248号で整備予定0.12kmをはじめ全約3.5kmを無電柱化実施予定とのこと。南海トラフ巨大地震の発生による大規模な被害が想定される本県では「第3次あいち地震対策アクションプラン」にも防災のひとつとして「無電柱化の推進」が挙げられていることや、本県の社会資本整備について愛知県建設部が進めていく事業・施策の方向性や取組方針を示す「愛知県建設部方針2020」の中でも環境と調和した持続可能な地域づくりを目指すために「無電柱化の推進」を挙げている。しかし、進捗率1%程度という進まない現実がある中で、本県として無電柱化は推進いていくと公約している。今回策定している「愛知県無電柱化推進計画」は2020年度までとなっている。

【高橋正子】
高コストなど現実的な課題もある中で、次期計画の2021年度以降について、どのように進めていくのか?

【道路維持課】
 2021年度以降の無電柱化についても、基本的には災害の防止、安全かつ円滑な交通の確保、都市や観光地などの良好な景観の形成を目的として進める必要がある。とりわけ防災の観点からは緊急輸送道路については第1次緊急輸送道路から優先することなどを検討していく。県としては「愛知県無電柱化推進計画」に基づき、計画的かつ継続的に無電柱化事業を推進していく。
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