1.「終活のリアル」な課題への取組について
①身寄りのない「おひとり」高齢者の終活支援について
終活とは、人生の終わりに向けて準備する活動のことで、一見暗いイメージをもたれるかもしれないが、実は、未来の不安を減らす取組として今、終活は広がりをみせている。
何かあったときに自信の希望を伝えるため、そして残される家族やかかわってくれた人へ、周囲の負担を減らす多めの大切な準備である「終活のリアル」の現状と課題、さらに今後の取組の必要性についてうかがう。
まずは、『身寄りのない「おひとり」高齢者の終活支援について』
日本総合研究所では、65歳以上で配偶者と子など3親等以内の親族がいない「身寄りのない高齢者」は2050年に全国で448万人となる見込みで、これは高齢者の9人に1人程度になると試算している。そうなると、さらに懸念されるのが孤立死の増加。
国が設置した「孤独死・孤立死の実態把握に関するワーキンググループ」では、警察取扱死体で、自宅で死亡した1人暮らしの人のうち、死後8日以上経過して発見された人について、社会的に孤立していたと強く推認されることから、孤立死として整理している。
2024年は65歳以上の高齢者1万5630人が孤立死したと推計。2050年には9人に1人が身寄りなき高齢者となれば、入院や介護施設への入所時における身元保証人の確保が困難な事例もさらに増えることが推測され、厚生労働省は身元保証人がいない高齢者でも受け入れるように病院や施設に求めているが、実際には保証人がいないことで入院や入所を断られるケースはある。
そんな中、入院や介護施設への入所時の「身元保証」、在宅生活における定期的な安否確認や金銭管理等を行う「生活支援」、死亡時の葬儀の手配などの「死後の事務」を家族に代わって担う、民間の「家族代行サービス」のニーズが高まっている。
しかし一方では、消費生活センターには「死亡した後の事務のみの契約内容だったのが、生活支援サービスまで追加契約させられた」、「預託金100万円を支払うように言われたが詳細な説明がない」、中には「あの事業者は信用できるのか?」といった内容の相談が寄せられ、本県の消費生活センターにも2023年は53件、24年は48件の相談があったと聞く。「家族代行サービス」は、身寄りのない高齢者には寄り添って頼れるシステムのように映るが、費用面からしても誰もが利用できるものではない。
認知機能が低下した人に対しては成年後見人などの制度が用意されている一方で、介護も受けていない低所得の高齢者には頼れる公的サービスがないことが課題となる。
もし、おひとり高齢者が、自宅で孤立死をしたらその先はどうなるのか…
結論から言って、故人の居住地である市町村に「時間・人手・費用」など多大な負担がのしかかることとなる。
戸籍の調査・本籍地の照会、身元引受人の探索、親族がいたとしても連絡がつかない。親族が見つかるまで火葬を待つ場合もあり、遺体の冷蔵保管費用もかかる。その他にもアパートの残置物の処理や財産確認、家賃や公共料金の清算、年金停止手続きまで、多岐にわたる実務を限られた職員数で担うこととなる。
さらに、誰にも引き取られない遺体は、墓地埋葬法で死亡地の市区町村が代わりに火葬・埋葬することとなり、その葬送費用は遺留財産で賄えない場合は市町村の一般財源から支出される。
厚生労働省の調査研究事業による試算だと2023年度は全国で42,000体にも上ったという。
Q:近年、身寄りのない高齢者が増加し、亡くなった方の戸籍等に関する調査や住居の残置物処理等による市町村の負担が増している現状について、県はどのように認識しているのか?
【福祉局長】
少子・高齢化の進展により、単身世帯の高齢者が増加しており、家族や親族の支援を受けることが難しい高齢者も、今後さらに増えることが見込まれている。こうした方が亡くなられた場合には、市町村において、親族や相続人の調査、遺留金品の管理、住宅の残置物への対応など、多くの事務が発生する。県内の市町村からは、「独り暮らし高齢者の死亡に関する連絡が増えている。」「戸籍の請求先が複数の自治体に及ぶことも多く、負担に感じている。」との声も伺っている。県としては、こうした市町村の負担が、地域の高齢者福祉の円滑な推進に影響を及ぼすことがないよう、負担軽減につながる取組を検討していくことが重要であると認識している。
さて、厚生労働省は2022年度から身寄りのない高齢者の日常生活や死後の実務などを支援する自治体の費用を一部補助するモデル事業を始め、本県では岡崎市、大府市、豊田市の3自治体で終活支援事業として相談窓口を開設した。
全国的には、身寄りのない高齢者が“もしも”の時に備えて、緊急連絡先や死後の対応などを自治体に登録する「終活情報登録制度」等の導入が広がり始めている。
例えば本県では、大府市が終活登録制度として「わたしのさくら登録」を行なっており、市独自のエンディングノート「さくらノート」に本人が決めた内容を記入して市に登録。
エンディングノートの保管場所から緊急連絡先、遺言書、預貯金、葬儀や墓の場所など、本人が死亡した場合には、さくらノートを書いた本人が指定した人に情報を開示する。登録者には、登録カードが発行されることとなっている。
この登録制度は、たとえ身元引受人がいなくても最低限の本人意思が尊重され、死後の対応をスムーズに進められる仕組みとして普及させていく必要を感じる。
本県では、県内54市町村で終活ノートに関する独自配布をしているのは34市町。反対に配布されていないのは20市町村あり、配布されている自治体でも「配布のみ」の実施でこの終活ノートがどれほど終活情報として活用されているかは未知数。
身寄りのない高齢者が亡くなった後、行政が対応する事務や費用が増加している現状を踏まえれば、終活の取組は、将来的な行政負担の抑制という観点からも重要だと考える。
「終活登録」は、身元保証人の確保が困難な高齢者への支援策のひとつとして、本人が元気なうちから、「終活」の取組をすることで本人の尊厳を守ることにもつながるとともに、行政の負担軽減にもつながる。県の役割は、市町村が事業を円滑に進められるようにサポートする役割を担っているとの認識。
Q:今後、「終活登録」というものを広く県内で導入の考えがある市町村へ、県が先行事例や好事例を情報提供するなどの支援についての見解をうかがいます。
【福祉局長】
県内の一部の市町村においては、高齢者が安心して生活できるよう、医療や介護、亡くなった後の身辺整理に関する希望など、本人の意思を明確にして記録する「エンディングノート」の活用促進や、具体的な使い方に関する相談支援などの取組が進められている。
本県では、市町村による取組の充実を図るため、本年1月に市町村職員や地域の関係者を対象として、先進的な取組を進めているNPO等による事例発表会を開催した。この発表会では、身寄りのない高齢者の終活に関する情報の登録や入退院支援など、包括的な取組を進める際の留意点や有効な方法について、情報提供を行った。
また、来年度は、県社会福祉協議会が、身寄りのない高齢者の死後事務などを、試行的に実施する取組に対し助成を行うこととし、市町村の負担軽減につながるものと考えている。県としては、市町村における身寄りのない高齢者への取組がより一層進むよう、必要な支援にしっかりと取り組んでいく。
②「デジタル遺品」のトラブル相談の現状と、デジタル終活のススメ
日本社会のデジタル化が急速に進展する中、総務省によると、生活の必需品でもあるスマートフォン(以下:スマホと言います)でインターネットを利用する人は、20~59歳の各年齢層で約9割、60代で約8割、70代では約5割と、インターネットの活用は高齢者の間でも広がっている。今やスマホは個人のプライバシーが満載の「パンドラの箱」になりつつあり、ネット上で見た「あなたはスマホのデータを遺して死ねますか?」のショッキングなメッセージにドキッとしたことがある。
通常、亡くなった人がパソコンやスマホを所有していたら、遺された家族や関係者は故人のパソコンやスマホに保 存された情報を確認するが、まずはここで問題が発生するケースが多い。そこには故人しか知らないであろうパスワードやロックがかかり、パスワードがわからなくてはスマホを開くことはできない。所有者亡き後、こうした故人がスマホやネット上に残したデータは「デジタル遺品」と呼ばれ、セキュリティがかかったままこの遺品は無言を貫くこととなる。
例えば、昨今多いあるあるは、遺影写真。今や写真撮影もスマホが主流で、そうなると画像はスマホの中に保存。葬儀の際に遺影に使いたい写真はスマホのデジタルデータの中にしかない!でも、パスワードがわからないから取り出せない!しかたなく引き出しから昔の写真をだしてきて遺影に使用したところ、「もっといい写真はなかったの?」と周囲から言われる始末…遺族からはスマホのパスワードのことまであたまになかった、といった声が聞かれる。
今、スマホやパソコン、インターネット上のサービスの普及により、私たちの生活は便利になる一方で、死亡後に残される「デジタル遺品」をめぐるトラブルは全国的に増加が見込まれ、デジタル社会の課題となりつつある。
さらに故人が契約していたスマホの中の“見えない契約”、例えばネット銀行やキャッシュレス決済、サブスクリプションサービス(以下、サブスクと言います)など、パスワードや本人確認がなければ誰も触れられないというデジタル特有の課題は、残された家族には大きな負担となり、実際に消費生活センターへも相談が寄せられている。
国民生活センターによると、デジタル遺品について明確な定義はないものの、個人がネット上に保有していた資産のデータや、いわゆるサブスクを契約していた場合のアカウントなど、デジタル機器を通じて確認できるデータやインタ―ネットサービスのことを指すとしている。
そして、デジタル遺品に関する相談の中には遺族が契約内容の確認や解約をしたくても、ID、パスワードの手がかりがないために手続きに困るケースが見られるとのこと。
その他にも、ネット上の資産は本人以外が実態を把握することが難しく、相続手続きにも時間がかかるなど遺された家族は「デジタル遺品」「デジタル遺産」にIDやパスワードがわからないことで翻弄されることになる。
そこで、消費生活センターなどに寄せられたデジタル遺品に関する相談の現状から相談体制、そしてデジタル遺品の処理で困らないための事前の対策「デジタル終活」まで、デジタル社会の中でさらにデジタル遺品のトラブルが増加することが考えられるだけに、本県の取組についてうかがう。
まずは、本県の消費生活センターの「デジタル遺品」相談の現状について。
家族が亡くなった後、「スマートフォンが開けない」「SNSの削除や解約ができない」「利用していないサービスの料金が発生し続ける」といったデジタル遺品をめぐる問題事例が全国的に報告されている。
Q:本県の消費生活センターなどに寄せられている「デジタル遺品」に関する相談の現状についてうかがう。
【県民文化局長】 本県や市町村の消費生活相談窓口には、今年度は平均して月1、2件程度と件数としては少ないものの、デジタル遺品に関する相談が寄せられている。
その内容は、「亡くなった故人宛てに請求書が届いたので当該事業者に問い合わせをしたが、故人が登録したアカウントが分からないため請求内容を確認できない。」というものや、「故人の銀行口座からサービス利用料の引き落としがあり、解約したいがIDやパスワードが分からず対応できない。」というもの。
こうした、遺族が故人のIDやパスワードを把握していないために、契約内容の確認や解約手続きが困難となる事例に関する相談は、今後、増加するものと考えている。
今後、さらにデジタル化が進み、この「デジタル遺品」に関する相談も増加とともに複雑化していくことが予想され、相談を最前線でうける消費生活相談員のレベルアップや資質向上が必要となると考える。従来の消費生活相談は「悪質商法」や「契約トラブル」などが主流でしたが、デジタル遺品の相談は、相談員のITリテラシーやデジタルにおける法律の知識、またパスワードや個人情報をどこまで扱っていいものなのかグレーゾーンに直面することが想定される。
Q:こうした高度で複合的なデジタル遺品相談に対応するため、消費生活相談員を対象とした専門研修や資質向上の取組をどのように行っていくのか?うかがいます。
【県民文化局長】
本県では、デジタル化の進展に伴う専門性の高い相談に対応するため、昨年4月に、消費生活相談員で構成する 「デジタルサービス」に関する専門チームを立ち上げた。専門チームでは、キャッシュレスサービスのトラブルなど困難な相談事例の対応策を議論する検討会や、弁護士など専門家のアドバイスを受けながら具体的な対応策を学ぶ研修などを実施し、来年度は、デジタル遺品についても議題として取り上げる予定。
また、専門チームにおけるこれらの成果は、市町村の消費生活相談員とも情報を共有し、地域全体の相談対応力の向上につなげていく。さらに、県ではデジタル遺品などの新たな事例や専門性の高い相談への対応力を高めるため、県及び市町村の消費生活相談員を対象に「キャリアアップ研修」を毎年6回開催している。
昨年10月に開催した研修では、デジタル遺品をテーマの一つとして取り上げ、スマートフォンやパソコンのパスワードが分からない場合の対応方法や、専門業者にパスワードロックの解除を依頼する場合の注意点などを学んだ。
今後、増加することが見込まれるデジタル遺品に関する相談に対して、的確に対応できるよう、相談体制を一層強化していく。
さらに、「デジタル終活」のススメを、どのように展開していくのか?についてですが、デジタル化が進む社会において、利便性の向上とあわせて「死後のデジタル対応」も行政のあらたな課題だと考える。
デジタル遺品の問題は、亡くなった後に対応するだけでは限界がある。生前から、自分のデジタル資産を整理し、どう引き継ぐのかを考える「デジタル終活」のススメは、残される家族の負担軽減にもつながる。
Q:県として、デジタル遺品に関するトラブル防止に向けて、「デジタル終活」のススメについて、県民への啓発や情報提供をどのように進めていくのか?
【県民文化局長】
本県では、消費者トラブルに遭った場合のみならず、不安が生じた際にも、速やかに相談いただけるよう、全国共通の電話番号である「消費者ホットライン 188番 いやや」を周知している。デジタル遺品についても、少しでも不安があった場合は、すぐに消費者ホットラインに御相談いただくよう、広く周知を図っていく。
また、消費生活情報紙「あいち暮らしっく」等でデジタル遺品に関するトラブル事例を取り上げていくとともに、情報サイト「あいち暮らしWEB」に、ネット上で契約したサービスは、その内容を記載した一覧表を作成しておくといった、デジタル遺品に関する事前対策を紹介するページを新たに設け、県民への情報提供を強化していく。
さらに、事業者が行う社員研修や地域で開催される高齢者団体の研修会等に県の消費生活相談員を派遣し、デジタル遺品に係る事前の対策について周知を図っていく。今後も、こうした取組を着実に進めることで、デジタル遺品に関する消費者トラブルの未然防止にしっかりと取り組んでいく。
2.東京一極集中の流れを緩和させる、
“新たな人の関わり方”について
総務省発表の2025年の人口移動報告によると、転入者が転出者を上回る「転入超過」は東京都が最多で65,219人。前年の79,285人から14,066人減ったものの依然として東京一極集中の傾向は続いており、40道府県で人口が流出する「転出超過」であった。
東京都への転入超過が減るのは、コロナ禍だった2021年以来4年ぶり。では、愛知県はというと2023年、24年と転出超過は7,000人を超えていたのが、25年は一機に2,000人台まで減少。国が地方創生施策を開始してから11年。政府がこの2024年に公表した10年間の地方創生の取組を検証した報告書では「人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っていない。」と総括しているが、現役世代を中心に都会から地方へ移住を目指す人は増加傾向にあり、東京の「ふるさと回帰支援センター」の移住相談は2025年は7万件を超え、30代が最多で関心が高まっている。
ちなみに2025年移住希望地ランキング上位20都道府県も公表され、堂々の1位となったのは「群馬県」で、30代の子育て世帯からの相談が中心だということ。残念ながら、愛知はベスト20位にランクインはしていませんが、相談件数は増加しているとのこと。
このように移住人気の高まりはあるものの、現実には大多数は移住せずに東京圏に住み続ける。だったら住まなくてもいいから、“新たな人の関わり方”として仕事や趣味で居住地以外の地域に、継続的に行き来する「関係人口」という考え方が広く使われるようになった。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光にきた「交流人口」でもない。総務省の定義では、その地域に親族が住んでいる人・仕事で訪れている人・短期滞在している人など、何らかの理由で継続的または複数回訪れたことがある人のことをいい、総括して地域との関わりがある関係が強い人を「関係人口」とみなすということ。
本県でも人口減少が進む中、「まち・ひと・しごと創生総合戦略2023‐2027」においても“人の流れづくり”で地元人材の定着はもとより、東京圏等からの人口流入・定着の促進、いうなれば「関係人口の創出・拡大、移住・定住の促進」を図るとしている。
関係人口施策は、まずは関わる→行き来する→深く関わることで、交流人口を定着させ、移住・定住につなげることが理想。しかし、関係人口は住民票を移さず「住まわなくても関わる」ことを前提とした概念なので、原則、人口も増えなければ、住民税の増加にもつながらない。人口減少がもたらす、「人口減少→税収減→行政サービス維持困難」という負の構造に対して、即効性のある処方箋とはいえない。
私は「関係人口」自体を否定するものではありませんが、まずは「関係人口」は、人口対策なのか、地域機能維持の補完的対策なのか、を県に問いたい。
関係人口の創出で「地域活性化」を図るとするなら、人口も税収も増えずして、どのような状態、何をもって活性化したと図るのか?
また、東京一極集中の是正や人口減少対策について、どこまでが関係人口施策が果たす役割なのか?と考えつつ、質問する。
Q:本県は、関係人口の創出・拡大について、どのような考え方で取組んでいるのか?
【政策企画局長】
本県の人口は、2019年をピークに6年連続で減少し、また、東京圏への転出超過はここ数年1万人前後で推移しており、このうち20代の転出超過数は全体の約6割となっている。人口減少には、様々な課題がありますが、とりわけ地域の担い手不足は大きな課題。
このような状況において、当該地域に居住経験のある転出者を含め、地域外の人材が多様な形で関わりを持ち続ける「関係人口」は、地域づくりの担い手となり、地域を活性化させることが期待される。
このため、「愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027」では、関係人口の創出・拡大により、活力ある地域づくりを図るとともに、将来的な移住者の拡大につなげることとしている。具体的には、本県の豊かな自然や歴史・伝統文化など、多種多様な地域資源の魅力を広く発信するとともに、地域で行うフィールドワーク等を通じて課題を理解し、解決につなげる取組などを推進している。
現在の本県「まち・ひと・しごと創生総合戦略 2023‐2027」の基本目標“人の流れづくり”では、関係人口づくりも重点テーマの一つと位置付けられている。総合戦略は、定期的にPDCAサイクルによる進行管理を行ない、施策・事業の進捗状況や目標の達成度などの検証をおこなっていると聞いている。
Q:本県の「関係人口」について、創出・拡大を図っていかなければならない中で、今後、どのように取組んでいくのでしょうか?
【政策企画局長】
昨年12月に策定された国の「地方創生に関する総合戦略」では、「都市と地方の共生の実現」を掲げ、ふるさと住民登録制度の創設などに取り組むことで、関係人口の量的拡大・質的向上を図ることとしている。
これを踏まえ、来年度、市町村をはじめ、有識者、産業界、労働界などから幅広く意見を聞きながら、本県の新たな総合戦略を策定することとしており、この中で、関係人口の創出・拡大の取組についても更なる充実を図っていきたい。
さて、地域と継続的に関わる「関係人口」の実態を数値化することは難しいと思う中で、国の方ではこの「関係人口」を可視化して、自治体が「ふるさと住民」として登録する制度を令和8年度に創設する議論が進められており、当面はふるさと住民としての登録1千万人を目指すとのことである。
Q:「ふるさと住民登録制度」について、本県において今後どのように取組んでいくのかうかがう。
【総務局長】
現在、国において導入の準備が進められている「ふるさと住民登録制度」は、住所地以外の地域に継続的に関わる人を、「ふるさと住民」として専用のアプリに登録し、関係人口の規模や地域との関係性を「可視化」することにより、地域の担い手確保や地域経済の活性化に繋げていくことを目指すもの。「ふるさと住民」の登録には、誰でも登録が可能な「ベーシック登録」と、担い手活動の回数などの条件を満たす必要がある「プレミアム登録」の二種類がある。登録された市町村又は都道府県が、登録区分に応じ、各種の地域情報の提供や、滞在費補助など地域活動で役立つサポート施策の提供を行うことにより、関係人口の裾野拡大や関わりの深化を図ることが想定されている。
本県では、これまで、特に人口減少が著しい三河山間地域において、地元の市町村と連携しながら関係人口の創出・拡大に向けた取組を推進してきており、来年度は新たに、大学研究室等と地域が連携し、地域の課題解決に向けたフィールドワークや実証実験等を行い、地域の担い手となる関係人口の掘り起こしを図ることとしている。
今後、一層の人口減少・少子高齢化による担い手不足が懸念される中、誰もがアプリで簡単・簡便に登録できる「ふるさと住民登録制度」は、関係人口の創出・拡大に向けた有効な手段の一つになり得るものと考える。
制度の導入に向けては、国において、まず今年度内に、自治体の制度運用の指針となる「ガイドライン」が策定され、来年度、アプリ開発とモデル事業による効果検証を実施した上で、制度の運用が開始される予定。
県としては、こうした国の動向や制度創設の参考となった他団体の先行事例の情報収集に努め、市町村及び県において「ふるさと住民登録制度」の効果的な活用ができるよう、検討していく。
【知事】
関係人口について、私からもお答えする。
関係人口は、地域住民との信頼関係をベースに、地域の社会課題解決や魅力向上に貢献するものであり、とりわけ人口減少・高齢化の深刻な地域においては、関係人口が地域住民の共助の取組に参画することが期待される。
本県では、これまで東三河、三河山間地域や離島など人口減少が特に著しい地域において、担い手確保などを目的として関係人口の創出・拡大の取組を進めてまいった。
本県の直近の人口動向では、中核市を含む43市町村で減少し、人口減少は県内全域に広がっている。
このため、本県の強い経済基盤に支えられた恵まれた雇用環境を始めとする住みやすさなどの魅力の発信に引き続き取り組むとともに、来年度、本県の総合戦略を策定する際には、「ふるさと住民登録制度」といった新たな取組を検討するなど、関係人口創出・拡大の更なる推進を図っていく。
人口減少下においても、各地域が活力を維持し、すべての人が活躍でき、安心・快適に暮らせる社会づくりを進めていく。
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