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●県議会活動 (本会議での主な質問) |
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過去の記事 |
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■平成24年3月8日、愛知県議会2月定例会「議案質疑」 |
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地域安全対策課「子ども・女性被害防止対策室」について
全国各地で子どもや女性が性犯罪などの被害に遭うケースが後をたちません。
そこで、子どもと女性を性犯罪などの被害から守るための取組みを強化するために、性犯罪の前兆ともみられる「声かけ・つきまとい」といった早期段階の行為者を特定し、専門に取り締まるチーム「子ども・女性安全対策班」が2009年4月から、全都道府県警察本部に一斉に設置されています。
本県でも2008年5月に発生した豊田市の女子高生殺害事件などを教訓に2009年4月、愛知県警地域安全対策課内に「子ども・女性被害防止対策室」が発足。
性犯罪に発展することが予想される「声かけ・つきまとい」の行為者を特定し、早い段階で検挙、あるいは指導・警告をおこなうことで子どもや女性が被害者にならぬよう、未然防止に努めています。
本県の「子ども・女性被害防止対策室」では、昨年2011年中に子どもに声をかけたり、女性につきまとったりする不審者情報が2,299件寄せられ、内、子どもを狙ったものが442件、女性を狙ったものが1,857件だったそうです。
これは同対策室設置後の2010年と比較すると、子どもはマイナス74件、女性はマイナス172人件、全体としては246件の減少となっています。
さらに、同対策室に寄せられた2011年の不審者情報での多発エリアをみると、名東署管内の198件がトップ。次いで緑署の143件、一宮署の132件、中川署の119件、港署の98件と続き、名東署は二年連続で不審者多発地域のワースト1となります。
同対策室では、こうした不審者情報は従来"情報提供"にとどまっていたのを、性犯罪につながる前兆として重視。通報があった地域に捜査員を投入して、聞き込みから不審者情報を掘り起こします。
しかし、声かけやつきまといといった行為は明確な犯罪とはいえず、実際の現場での迷惑行為を確認する必要がありますが、現実の不審者は神出鬼没。
捜査は想像をはるかに超える地道な活動の積み重ねであり、結果として2011年には121件を検挙したということです。ちなみに多かった罪種は「公然わいせつ」が46件でトップ。
次いで、痴漢や盗撮、卑猥な言動などの「県迷惑行為防止条例違反」が44件、つきまといやのぞきなどの「軽犯罪法違反」が11件と続きます。
また、犯罪にいたらなかったケースでも、行為を特定できた200件に対しては指導・警告を行なったということです。
Q:子どもや女性への声かけ・つきまとい、あるいは痴漢などの行為者は同じことを繰り返す"常習性"に加え、次第にエスカレートしていく傾向にあると聞きます。
事件に発展する前に芽を摘み取るのがこの対策室の使命でありますので、以下、2点についてお尋ねをいたします。
1点目として、県内の不審者情報が多く寄せられる地域=いうなれば"ホットスポット"の犯罪の傾向と、早期段階での検挙を目指す「子ども・女性被害防止対策室」の活動事例と捜査方針をおうかがいいたします。
2点目として、「子ども・女性被害防止対策室」も発足から3年となりました。これまでの特徴的な取組みと効果・実績はいかがでしょうか?また、性犯罪は再犯の可能性が高いと聞いておりますが、県警としての行為を繰り返させない取組みについてはいかがでしょうか?あわせて今年の重点課題があればうかがいます。
【警察本部長】 まずはじめに、不審者情報が多く寄せられる地域における犯罪の動向、対策室の活動事例等についてお答えします。
平成23年中に、子どもや女性に対する声かけやつきまとい等の不審者情報が多く寄せられた警察署の上位5署は議員お示しのとおりであります。
この地域の不審者情報の態様別では、痴漢行為265件、公然わいせつ124件、声かけ77件、つきまとい60件の順となっており、前年に比べ、痴漢行為、つきまといは増加し、公然わいせつ、声かけは減少しております。
また、平成23年中における県内の不審者情報を分析した結果、狙われる場所は、下校中や帰宅中の道路上が圧倒的に多く、次いで遊戯中の公園や空き地、共同住宅で多発し、時間帯では子どもに対するものは午後4時から午後6時、女性に対するものは午後6時から午後8時に最も多く発生しています。
不審者の接近方法では、子ども、女性とも後方からの接近や道を尋ねるふりをする声かけなどが圧倒的に多くなっています。これらの不審者情報は県内のほぼ全域から寄せられ、多発地域は必ずしも年ごとに一致していないのが実情であります。
子どもや女性に対する性犯罪等は、被害者等の心身に深い傷を残す卑劣な犯行であり、地域住民のみならず社会全体に大きな衝撃を与えるものでありますので、子ども・女性被害防止対策室においては、これらの不審者情報を一元的に集約・管理して、重大な性犯罪等に発展するおそれのある不審者情報については、情報を入手した段階から早期に捜査員を投入し、犯行時間帯や犯行場所を予測したよう撃捜査や不審者に対する職務質問、付近の聞込み、防犯カメラ映像の確認などの調査あるいは捜査により、早期に行為者を特定し、法令違反があれば検挙し、法令違反に至らない場合でも指導・警告を行なって、性犯罪等を未然に防止する「先制・予防的活動」を推進しているところであります。
次に、これまでの特徴的な取組みについてでありますが、子どもや女性に対する性犯罪等は未然防止が最も重要でありますので、正しく危機意識をもっていただき、防犯対策をしていただくために防犯少年団を対象とした「子ども安全アカデミー」や、日ごろから防犯講話などに接する機会が少ない女子大学生や社会人女性を対象とした「女性安全フォーラム」、また、中・高校生を対象とし、身近で発生した性犯罪の実例を挙げた対話型防犯教室等を開催しております。とりわけこの教室では、実施した高校から「自分も狙われるのではないかという意識が芽生え、防犯ブザーを持つ生徒が多くなった」などの声も寄せられており、大変好評をいただいております。
また、平成21年4月に「子ども・女性被害防止対策室」が発足してから約3年間の成果といたしましては、平成23年12月末までに、公然わいせつ、迷惑行為防止条例違反などで371事件を検挙し、551事案については、行為者に対する指導・警告を実施しております。 その結果、強姦や強制わいせつなどの性犯罪の認知件数は、対策室発足以来、年々減少傾向でございます。
次に再犯防止の対策につきましては、子どもを対象とした暴力的な性犯罪は、子どもの心身に深刻な影響を与え、県民に大きな不安感を与えますことから再犯の防止を図るため、13歳未満の子どもに対し、強姦や強制わいせつなどの「子ども対象・暴力的性犯罪」を犯して刑事施設に収容され、出所した者について、法務省から出所情報の提供を受け、定期的に警察官が居住先を訪問して同意を得て面談に行ったり、所在確認をして、再犯防止のための指導や社会復帰に向けた支援への橋渡しを行なっております。
最後に、今年の重点課題としては、性犯罪は年々減少傾向にあるものの、表に出ない暗数も相当数存在すると考えられるので、今後も重点的な取組みを継続していかなければなりません。
本年4月1日から、子どもや女性に対する防犯対策や先制・予防的活動、更には再犯防止対策など総合的な安全対策を行うために体制を強化することとしており、これまで以上に、子どもや女性の安全確保に重点的に取組んでまいります。
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