愛知県議会議員 高橋正子 一宮市選出 新政あいち 

愛知県議会議員 高橋正子 一宮市選出
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●県議会活動 (本会議での主な質問)

本会議での質問
過去の記事
■平成23年6月30日、愛知県議会6月定例会「一般質問」
~がん撲滅先進県を目指すために~
「愛知県がん対策推進計画アクションプラン」にみる、
本県のがん施策、その目標と取組について


 今、3人に1人が「がん」で亡くなる時代だといわれている。本県でも平成21年を見ると、総死亡者数の約3割に当たる16,888人が「がん」で亡くなり、昭和55年以降、「がん」が死亡原因の第1位となっている。
 近年、「がん」の死亡者数・罹患者数の増加への歯止めは国民的課題となり、本県でも平成20年3月に「愛知県がん対策推進計画」を策定し、平成29年度までに「40歳から70歳までのがん罹患率の10%減少と、75歳未満のがんの死亡率の20%減少」、そして「すべてのがん患者およびその家族の苦痛の軽減ならびに療養生活の質の維持向上」を目指している。
 昨年3月には、この「愛知県がん対策推進計画」をさらに推進するために、計画の中でも進めることが重要な「たばこ対策」、「がん検診」、「がん医療」の3つの分野に係る目標達成の指標と具体的な行動計画を示した「愛知県がん対策推進計画アクションプラン」を策定し、計画期間の中間地点でもある平成22年度までの進捗状況が示されたので、本県のがん対策・がん医療の現状について予防から治療、そしてがん対策の側面にも目を向けながら質問をする。

 まずは、がん予防の推進に関する取組で、「たばこ対策」について。本県のがん対策推進計画の当初の目標では、平成20年度から22年度の3年間で「平成16年時の成人の喫煙率を半減」、いわゆる男性18.7%、女性5.5%に目標を設定した。しかし、直近の数値であります21年度を見ると喫煙率は男性27.5%、女性9.3%と、減少はしているものの目標の半減には至っていない。そこで尋ねる。

Q:がん対策推進計画の最終年度である平成24年度までに喫煙率半減の実現に向けて、この23年度以降、どのような取組を行っていくのか?

【健康対策局長】
 喫煙率を半減するためには、個人の取組だけでなく、社会全体で禁煙リアの拡大や、禁煙治療に対する敷居を低くするなどの禁煙に取組みやすい環境を整えることが重要である。そこで、これらの課題に対応するため、新たに県のホームページを活用してタバコの害についての動画の配信を行うとともに、受動喫煙による体への害、禁煙治療の紹介などを取り入れたリーフレットを作成することで、個人への禁煙の啓発や社会全体での禁煙化の推進に努めていく。また、禁煙治療の敷居を低くするため、県民に身近な禁煙治療実施医療機関や禁煙サポート薬局の増加を促し、こうした施設が容易に検索できるよう県のホームページへ掲載したり、リーフレットにインターネットのアドレスを記載していく。さらに、市町村などが実施している特定健診、がん検診、母子健康診査などの場を活用して禁煙指導を行うため、健診を行なう医療従事者に対する研修を充実していく。
 また、がん対策推進計画では、未成年者の喫煙率を0%が目標であるが、本県の未成年者(年齢16~19歳)の喫煙率は愛知県が実施した平成21年「生活習慣関連調査」によると、男子3.4%、女子1.8%と、未成年者の喫煙率は年々減少しているものの目標の0%には至っていない。

Q:学校教育において、子どもたちに最初の1本を吸わせない未然防止教育は、どのように取組んでいるのか?また、喫煙をしている生徒に対しては、どのように指導を行っているのか?

【教育長】
 喫煙の未然防止教育については、小学校・中学校・高等学校では、保健の授業の中で喫煙による健康への影響について指導している。小学校6年生では、身近な生活における喫煙が健康に与える影響について指導し、さらに思春期に入り大人の生活に興味関心が高まる中学校3年生と高等学校1年生において、喫煙の誘惑に負けない強い意志が持てるよう指導している。さらに、喫煙をしている生徒への指導としては、喫煙に及んだ経緯や生徒が抱えるさまざまな問題にも目を向け、保護者の協力も得ながら再発防止に努めていく。
 続いて、がんの早期発見の推進に関する取組として「がん検診」について。がん検診の受診率の低迷は課題で、がん対策推進計画では、平成24年度までに「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「子宮がん」の5つのがん検診の受診率をそれぞれ50%以上に上げることを目標にしている。平成21年度の実績をみると、「胃がん」16.0%、「肺がん」28.2%、「大腸がん」23.4%、そして「乳がん」18.5%に「子宮がん」26.9%と、目標の50%には程遠い数字である。

Q:本県として、職域のがん検診状況も含めたがん検診受診率の目標50%達成に向けて、今後どのように取組んでいくのか?

【健康担当局長】
 本県で最も罹患が多い胃がんの検診については、従業員が300人以上の事業所では8割程度実施しているが、事業所全体の9割以上を占める従業員が300人未満である中小企業の事業所では5割程度の実施となっていたので、中小企業におけるがん検診の受診率向上を目指していく。また、がん検診の受診者の利便の向上を図ることも大切であるので、職域の特定健診実施機関の情報と市町村がん検診の情報を合わせて示すことにより、従業員の家族ががん検診と特定健診を同時に受診できるよう配慮していく。
 さて、県内のどこに住んでいてもがん患者とその家族が納得できるがん医療が受けられる体制の整備を目指し、その要となる「がん診療連携拠点病院」が名古屋、尾張、知多半島、三河など県内12の二次医療圏に原則1箇所ずつ15の病院が整備されている。さらに本県では、二次医療圏でより一層きめ細かながん医療体制が整備され、国指定15箇所に加えて県指定6箇所も加わった。

Q:今後の県指定がん診療拠点病院の増設も含め、本県としての取組をうかがう。

【健康担当局長】
 愛知県がんセンター中央病院を始めとする21の拠点病院の連携体制については、がんセンター中央病院に「愛知県がん診療連携協議会」を設置し、拠点病院相互の連携協力体制の強化を図るとともに、地域の医療機関への診療支援などに努めていく。県指定病院を創設した創設した平成22年度からは、県指定病院にもこの協議会に参加してもらっている。今後の取組は、手術、放射線療法および化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療や緩和ケアに対応できることなどの要件を満たした病院に対しては適切な指導を行いつつ指定していく。
 近年、医学の進歩により、がんは決して”不治の病“ではなくなった。それにともなって、これまでは退職や長期の休業を余儀なくされてきたがん患者も、働きながら治療を行なうことも可能となってきた。

Q:がん患者をはじめとする病気回復後の勤労者が病気療養から職場に復帰し、治療と並行しながらも働ける労働環境の整備について、県としてサポートができるとしたらどんな取組があるのか?

【労政担当局長】
 県の支援策は、事業者による様々な病気の予防から治療、職場復帰などの幅広い取組を対象としている。お尋ねの職場復帰に関しては、現状では事業者の取組はメンタルヘルス分野に重きが置かれているように受け止めているが、県による社会保険労務士の派遣制度などは事業者から希望があれば、がん患者などの病気療養者の職場復帰についても活用いただけるものと考えている。
 さて、愛知県がんセンター中央病院は、全国的にもがん治療の実力病院として広く認知され、本県のがん診療の中核を担っている。このがんセンター中央病院へやってくる患者さんは、紹介を受けてここを頼って来る人ばかり。

Q:近年、医師不足により、”手術待ち時間“が延びているとの課題が全国的に言われるが、がんセンター中央病院の実態はいかがか?また、この手術に関連して何らかの課題は?

【病院事業庁長】
 全体的には概ね3週間から4週間となっており、ここ数年、手術待ち時間の短縮ができているものと認識している。手術に関連した課題については、全国的な勤務医師の不足により、がんセンター中央病院においても特に、外科系医師や麻酔科医の確保が難しい状況が続いている。この夏には3年ぶりに常勤麻酔科医1名について確保の目途が立った。現在、常勤麻酔科医4名で9つの手術室を稼働しており、常勤麻酔科医が充分に確保されれば1日当たりの手術件数を増加させ、手術待ち時間のさらなる短縮が図られるものと期待している。

Q:名古屋市北区において整備が進められている「陽子線がん治療施設」に対して、本県としてどのような支援を考えているのかうかがう。

【大村知事】
 この陽子線がん治療施設の整備によって、がん患者さんにとっては治療の選択肢が増える。県内に21ある「がん診療連携拠点病院」を通じて、適応患者が適切に陽子線がん治療施設を紹介されるシステムを構築していく。これによって陽子線治療を受ける際に、スムーズに紹介されることになり、名古屋市の陽子線がん治療施設を有効に活用できるものと考えている。
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