県議会報告

平成25年6月定例県議会  6月19日一般質問に登壇
 犬猫の引取りと殺処分の減少を目指す「改正動物愛護管理法」
 について

 今は空前のペットブーム。ペットを飼うと決心したら、家族の一員として最後まで責任を持って飼う“終生飼養”が基本であるにもかかわらず、飼い主の身勝手な理由で遺棄したり、県内に4か所ある「愛知県動物保護管理センター」へ「飼うことができなくなってしまったので…」とペットとして飼っていた犬や猫を持ち込む人は後を絶たない。動物の愛護及び管理に関する法律=動物愛護管理法では『都道府県などは犬または猫の引取りを所有者から求められた時は、これを引取らなければならない』と定めている。しかし、動物保護管理センターに収容された犬猫たちの、その先にあるのは「殺処分」。一般的には、収容されて3日の保護期間後には、安楽死とは思えない方法で命を奪われてしまう可能性も…。今、全国の自治体や動物愛護団体を中心に、犬や猫の殺処分減少へ向けた取組が活発化している。しかし、平成23年度には全国で17万頭の犬や猫が殺処分されたとの環境省の報告は、これがペットブームの陰に隠れた現状である。

 本県では平成20年に策定した「愛知県動物愛護管理推進計画」の中で、平成18年度の犬猫の引取数と殺処分数から10年後には50%とする数値目標を立て、これまで殺処分の減少に取組んできた。名古屋市と中核市を除いた数字だと、平成18年度には県内4か所の動物保護管理センターへ犬2,971頭、猫5,549頭が収容され、譲渡などされた犬猫を除き、最終的に犬は収容全体の58%にあたる1,749頭、猫は98%にあたる5,465頭が殺処分されたことになる。さて平成24年度の殺処分数はどうか…。犬は856頭、猫は1,187頭で、平成18年度と比較すれば犬は約半数に、猫は約2割にまで激減した。その背景には、引取りの抑制策と里親探しなどの譲渡事業の成果がある。本県では、安易な引取りの申出を抑制するために、平成23年度から引取りを有料化するとともに、従来各保健所にあった犬猫の引取り窓口を廃止し、動物保護管理センター本・支所の4か所に集約。この有料化で猫の引き取りは約半分に、犬の引き取りは約2割減らすことができた。

 ペットとして飼えなくなり、動物保護管理センターが引取るその理由を県当局に聞いてみると、犬の場合一番多い理由が「飼い主の病気、入院、そして高齢になって飼えなくなってしまった」というもの。次いで「引っ越し」や「かみつく」、「ほえる、鳴き声、これに伴う苦情」と続く。しかし、昨今はそれでも引取り窓口では安易に引取らず、粘り強く説得を続け、結果、思いとどまる飼い主もある。時には身勝手な言い分で飼養を放棄する飼い主に、職員もつい声を荒らげる一幕もあるようだが “引き取らねばならない”規定がある以上、理由如何によっては飼い主に押し切られてしまうこともしばしばのよう。
 平成24年9月5日、ペットの終生飼養を徹底させ、一層の殺処分削減を目指す目的で動物愛護管理法が改正された(本年9月1日から施行)。ペットも生涯にわたり面倒をみる=「終生飼養」という責任が明文化されたのが特徴で、犬や猫の引取りを自治体に安易に申出することを防ぐため、一定の条件があれば自治体が引取を拒否することができるよう改めた。環境省が設けた新基準では、飼い主がペットの「高齢」や「病気」などを理由に引取りを求めた場合、自治体はこれを拒否できるとしている。さらに、自治体は収容された犬猫をできるだけ返還・譲渡する努力義務が明文化されたことも、殺処分をなくしていくためには意義深い改正点だと言える。
そこで以下、3点について質問する。

 

Q: これまで自治体は犬猫の引取りを所有者から求められた場合、拒否できないとされていたが、今回の改正動物愛護管理法では、終生飼養の趣旨に反する場合など「引取る相当の理由がない限り、拒否できる」ようになった。現実的に、法改正で引取数のさらなる削減が期待できるのか?今後の取組指針も含めて、県の見解をうかがう。 

 

健康担当局長:

 本県においては、以前から老齢または病気を理由に引取を求められた場合なども終生飼養するように説得し、引取数の減少に努めてきた。したがって、今回の法改正で本県のこれまでの取組が変わるものではない。ただ、法的に裏付けられたことによって今後とも引取数のさらなる減少に努めていく。

 

 

Q: 法改正では、自治体は収容された犬・猫をできるだけ返還・譲渡する努力義務が明文化されている。そこで、悲しい運命の犬や猫を救うためには譲渡率の向上が課題となるが、本県の今後の譲渡事業の取組についてうかがう。 

 

健康担当局長:

 譲渡事業にはこれまでも力を入れ、事前に予約してもらった希望者へは、昨年度は個別譲渡が437頭、団体譲渡が93頭、譲渡会による譲渡が189頭あった。今後は譲渡会も開催日を土日曜日を中心に開催するなど、また近隣市町村の広報でも案内してもらうなど、一頭でも多くの犬猫の命を救う取組を考えていきたい。

 

 

Q: 今回の法改正では、都道府県が定める『動物愛護管理推進計画』に、ペットの「災害対策」の項目が追加された。東日本大震災の教訓も踏まえ、本県のペットの災害対応についての課題と、今後の方針・具体的な取組について、どのように推進計画に盛り込むのかうかがう。 

 

健康担当局長:

 災害発生時において、ペットを連れて避難する“同行避難”が求められているが、避難所におけるトラブルを防ぐためのルール作りが課題。避難所の設置主体である市町村に対して、避難所におけるペット対策マニュアルを市町村に例示するなど同行避難の考えを浸透させてきた。さらに、今回の法改正で、新たに災害発生時のペット対応について示されるので、必要な取組を推進計画に盛込み、さらに取組を進めてまいりたい。

 

女性の活躍で経済を活性化
 愛知版ウーマノミクスの取組について

 今、女性の社会進出を推し進め、労働で得た収入を消費や投資に使い、経済成長や社会の活性化につながることを、“女性=ウーマン”と“経済=エコノミクス”を重ねた造語で『ウーマノミクス』と称されている。『ウーマノミクス』=女性が経済を元気にするという発想は、少子高齢化で労働力人口が減少する時代に、働く意欲のある女性の労働市場への参加を促すきっかけになる。
 日本の30代を中心とする子育て期の女性は、第1子の出産を機に6割の女性が働くことをあきらめて退職をしてしまうことから、就業率を線グラフで表すと「М字カーブ」が顕著で、30代でぐっとМ字の中心が下に下がる傾向にある。退職した女性の多くは、仕事を続けたかったが両立が難しくて辞めたと答え、働ける環境さえ整えば働きたいと希望している。もしも、わが国特有のこのМ字カーブを解消できれば、国内総生産を1.5%押し上げるとの試算もあり、この子育て世代の女子力を活用する施策は急務。
 先ごろ、国の成長戦略として、「女性の活躍」を推進する方針が打ち出されたことは話題となったが、わが国には性別による固定的役割分担意識やそれに基づく慣習・慣行などが依然として残り、女性が主体的に生きるための多様な選択や能力発揮の妨げになっている。世界経済フォーラムが2012年に発表した、女性が政治・経済活動に参画し、意思決定に参加する機会が十分あるかどうかを表す「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本は135か国中・101位。2年連続で順位も後退し、先進国では低いレベル。管理職に占める女性の割合や政治分野における女性の割合が小さいことなどが、国際的にみて低い水準になった理由だと言われている。

 また、平成24年度に内閣府が実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方に『賛成』と回答した人の割合は51.6%で、『反対』の45.1%を上回り、地域別にみると、愛知県を含む東海ブロックの賛成の割合が、56.2%と他の地域より最も色濃く出ている。そんな実状であることを踏まえて、以下、2点について質問する。

 

Q: 女性が社会で活躍するためには、男性の意識が変わらなければならないが、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という意識が強い調査結果をどのようにとらえているのか。そして古典的意識の強い傾向にある本県において、政策・方針決定過程への女性参画の拡大など、男女共同参画の推進にどのように取り組んでいるのか? 

 

県民生活部長:

 男女の役割分担意識は、時代や地域の社会・経済状況によっても変化し、本県の男性は正規職員の割合が全国平均と比べて高く、賃金も全国3位との結果。一方、女性は男性との賃金差が全国で2番目に大きくなっている。このような男女の収入差や社会的地位の差が調査結果の要因の一つだと推測している。また、男女共同参画への取組では、女性の視点を政策に反映していくために審議会などへの女性登用も全力で取組んでいる。その他、企業における女性の管理職への登用を支援するための「女性管理職養成セミナー」も実施している。

 

 

Q: 今、日々の生活の視点から「女性目線」が重視されていますから、あらゆる意思決定の場に女性が参画しないと社会も変わらない。国は社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合を、少なくとも30%程度になるよう目標を掲げ、各分野での女性参画の取組を加速させている。その中で、やはり県の施策を立案、実行する過程で、県職員の女性管理職の割合を増やさないと愛知県も変わらない。内閣府の調査によると平成24年4月1日現在の本県職員の管理職(課長級以上)は1,352人で、内、女性は76人。率にして5.6%で、登用状況は、全国で第23位。また、同時期の知事部局等における主査級以上の女性職員の割合は20.7%であり、「あいち男女共同参画プラン2011-2015」で27年度末までに23%になるよう目標を設定して取組んでいくとのことだが、本県の女性管理職の登用の考え方について、人事担当局にうかがう。 

 

人事担当局長:

 知事部局等の女性管理職(主査級以上)は、20年前の平成5年に9.3%であった割合が、本年4月現在21.9%。483人から1233人へと750人増加している。勤務成績が優秀で意欲と能力を有する女性職員を早期にグループ班長に登用し、管理職に必要な能力養成も行なっている。

 

 さて、「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」の推進で、女性に働きやすい環境作りにはなってきたとはいえ、出産を機に6割の女性が会社を辞めていく状況はこの20年間ほとんど変わっていない。本県では、仕事と育児・介護とを両立させることができる様々な制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取組を行なう企業として「ファミリーフレンドリー企業」の登録制度を行なっている。スタート年の平成19年度は246社の登録だったのが、平成24年度は1,007社と当初の目標を大幅にクリアし、平成27年度には1,721社に!と目標も高く軌道修正された。ファミリーフレンドリー企業の登録数も、低年齢児保育の受入児童数もあいち産業労働ビジョンに掲げた政策目標値を上まわる高スピードで進捗し、次代の流れからも働きやすい環境の整備は進んでいると思われるが現実には出産を機に6割の女性が会社を辞めていく状況はこの20年間ほとんど変わっていない。そこで以下、2点について質問する。

 

 

Q: 本県でこれまで取組んできた女性が働きやすい環境の整備への成果の検証が必要だと思う。愛知県では、女性がいきいきと働ける環境づくりについて、これまでも、例えばファミリーフレンドリー企業登録制度に代表されるさまざまな取組を行ってきたところだが、さらに労働の分野で女性が活躍できるような、実効性ある取組にすべきだと思うが、県の見解は?

 

労政担当局長:

 本県ではファミリーフレンドリー企業として登録いただいた企業にアンケートを昨年実施。それによると、離職者の減少、労働意欲の向上など何らかの効果があった企業は6割を超えた。したがって、ファミリーフレンドリー企業の登録支援を引き続き行なうと共に、優れた取組を行なっている企業を知事表彰しパンフレットやホームページで周知していく。

 

 

Q: 実際の職場で試験的に働いてみる主婦インターンシップが注目を集めている。国は今春からインターンシップを盛り込んだ「中小企業新戦力発掘プロジェクト」を始め、育児などで一度退職した主婦と中小企業を結ぶことで、人材を採用したくても知名度が低いなどの理由で、求人しにくい中小企業と主婦との橋渡し役になり、双方が希望すればそのまま就職もできるよう。この「中小企業における子育て女性のインターンシップ」の取組も、昨今、中小企業への支援を打ち出す本県としては取組んでもいいのでは? 

 

労政担当局長:

 今年度も託児サービスを受けながらの「再就職支援基礎セミナー」や「職場復帰サポートセミナー」を実施し、年26回、延べ500名を超える女性の参加を予定している。また、今年度、職場復帰や再就職を希望する女性のニーズを踏まえ、サポートセミナーのカリキュラムの一部にインターンシップの要素を加えるなど見直しを行なう。