県議会報告

平成24年9月定例県議会
 民主党愛知県議員団幹事長として代表質問しました。

1. 知事の県政運営について

Q: 本県の災害廃棄物の受け入れ計画は、宮城県が地元や近県で処理する方針を表明したことで撤回となった。今年3月に知事が災害廃棄物の受け入れを唐突に表明したことで、受け入れは難航。さらに災害廃棄物の受け入れ関連予算の修正や再議など、一連のすったもんだに知事と自治体、また議会との溝が深まったことは否めない。この災害廃棄物の受入問題を振り返り、知事はご自身の進め方で反省をすべき点と、今回の災害廃棄物受入問題で得た教訓を、今後の県政運営に活かしていただきたいと思うが、知事のご所見を伺う。 
 さて、次期衆議院選挙が近づくにつれ、知事にも落ち着きがなくなってきている気がする。

この地元よりも国政をにらんでいるかのように見える知事の行動を県民は望んでいないと思うが、知事のお考えは?

 

知事:

 県内3か所の最終処分場の活用を前提に、8月末を目途に受入れ計画の全体像を明らかにし、県民の皆様にご説明するための調査検討を進めてきた。しかし最終的な調整段階において、宮城県から県内処理に力を入れると直接説明があり、私は廃棄物の受入れをこれ以上進めることにはならないと判断。被災地の1日も早い復興を第一義として、被災地の状況の変化を踏まえ、最大限の努力をしてきた。  

 また、我が国を覆う閉塞感を打ち破り、日本の活力を出していくために、全国一律・横並びだった国のかたちを根底から覆し、地方が、そして大都市が活力と豊かさを競い合う、そういう形にしていかなければならない、との思いで「中京維新の会」をはじめ、諸々の政治活動に取り組んでいる。思い切った産業政策、地域政策を打ち出し、愛知のポテンシャルをさらに高めることに全身全霊を傾けて取り組んでいく

 


2. 減税・中京都構想について

知事は、「減税が最大で最速の景気対策」と主張してこられたが、東日本大震災の影響や景気の低迷で、2012年度の予算編成では当初1,800億円の収支不足が見込まれたことから、本県の財政は厳しい状況に。原点である「個人県民税の10%減税」を4年間の任期中には実現する!と意欲を見せておられたが、本県の深刻な財政状況を考えれば、方針転換が妥当だと考えるが知事の所見は?

 次に「中京都構想」についてうかがう。8月末には「大阪都構想」を後押しする「大都市地域特別区設置法」が成立した。知事にとっても「中京都構想」をどうするのか…決断する時が迫ってきている。知事は、河村名古屋市長との共同マニフェストである「中京都構想」について、どのように考え、どう進めていくつもりか?

 

知事:

 県民税の減税は、この地域を活性化させるための有効な政策であると考えている。こうした中で、24年度については景気の先行きや税収の見通しが一段と不透明になっていたことや、基幹産業である自動車産業の空洞化に対する危機感が高まっていたことなどを考慮し、当面の緊急課題として、産業空洞化対策に全力を傾注することとした。また、自動車税制の抜本的な見直しについて国に強力に働きかけ、エコカー減税等を実現するとともに、本県独自にプラグインハイブリッド車等に対する自動車税の免税措置を行なうこととした。この自動車税制の見直しは個人に対する減税であり、家計への負担減につながる波及効果が見込まれる。個人県民税減税については、今後、県経済と県税収入の動向を踏まえ、任期中の実現を目指したい。

 さらに、私が考える中京都構想については、大阪都構想と異なり、名古屋市を分割して特別区を置く考えはもっていないが、愛知・名古屋を合体し、強力で唯一の司令塔のもとで、世界と闘える大都市圏づくりを目指していきたい。引き続き「世界と闘える愛知・名古屋」の実現に全力で取り組んでいく。

3. 県財政について

東日本大震災や景気低迷の影響で、2011年度の県税決算見込み額は8,937億6,800万円と、24年ぶりに9,000億円を割り、愛知県の借金である県債も2012年度末の残高見込が、当初予算段階で4兆9,994億円に達し、いよいよ5兆円を突破する。そこで、県自身が汗をかいて収入を確保する「自主財源確保」に向けた取組に成果が出ている。例えば、滞納整理機構やインターネット公売、自動販売機の公募設置、その他有料駐車場やコンビニ用地を始めとする県有財産の貸付事業など、地道な収入確保対策について、知事の見解を伺う。

 

知事:

 まず、税収入については、収入未済額の7割以上を占める個人県民税の確保対策が、喫緊の課題。今年度は「地方税滞納整理機構」の参加市町村を43市町村から47市町村に拡大し、前年度以上の成果を目指しているほか、7月には、新たに県内全市町村の参加を得て、「愛知県個人住民税特別徴収推進協議会」を設立し、個人住民税の特別徴収、いわゆる給与天引きの推進も図っている。その他、県有財産の有効活用については今年度、事業用定期借地権を活用した店舗への貸付など、新たな手法にも着手している。

 

本県の個人県民税の徴収率は91.7%で全国33位。

「地方税滞納整理機構」とは、徴収率の低下に歯止めをかけようと、平成23年4月、県と市町村が連携して積極的な滞納整理を行なうために県内6ブロックに設立。初年度の23年度は43市町村が参加し、収納困難な約51億8700万円の滞納金額を引き継ぎ、徴収率は53.3%の約27億6500万円(内・個人県民税が約5億円)の成果を上げた。

 

4. いじめ根絶への取組について

 文部科学省では、大津市のいじめ事件を機に、子どもの悩みの相談にのる「スクールカウンセラー」を大幅に増員するという内容の概算要求を、この9月初めに発表した。 本県では、すでにいじめ問題への対策としてスクールカウンセラーを全中学校に配置済み。さらに小学校においても平成24年度は173校の拠点校に配置を拡大、全小学校に対応することとしている。スクールカウンセラーは、心理学などの高い専門性を備えるとともに、第三者の立場から学校、子供や保護者にかかわるという点においてその役割が期待されているが、その反面で、学校におけるスクールカウンセラーの力が発揮できない問題もある。いじめ問題の解消にスクールカウンセラーをどのように有効活用していくのか、現状の課題解消も含めて、今後の取組について、教育長に伺う。また、本県でも第三者調査委員会として「児童生徒の自殺又は自殺が疑われる死亡事案の調査委員会」の設置をしているが、どのような考えで設置し、運用していくのか、教育長に伺う。

 

教育長:

 今後、スクールカウンセラーによる教職員へのカウンセリング能力向上のための研修のあり方や、スクールカウンセラーの役割を明確にした学校における教育相談体制のあり方などをリーフレットとして取りまとめ、周知を図っていく。これからも、心の専門家であるスクールカウンセラーの力をより活用していくことで、いじめ問題の解消に努めていく。

 

 「スクールカウンセラー」は、心理学などの高い専門性を備えると共に、第三者の立場から学校、子どもや保護者にかかわるという点において、その役割が期待される。本県では、いじめ問題の対策として全中学校に配置済み。さらに小学校においても平成24年度は173校の拠点校に配置拡大し、全小学校に対応することとしている。

 

5.女性の社会進出を後押しする、ポジティブアクションの取組について

 世界経済フォーラムが2011年に発表した報告書では、女性が政治・経済活動に参画し、意思決定に参加する機会が十分にあるかどうかを表す「ジェンダー・ギャップ指数」は、日本は135か国中・98位。管理職に占める女性の割合や男女間の賃金格差、政治分野における女性の割合が小さいことなどが、国際的にみて低い水準になった理由だと言われている。特に本県に置き換えてみても、県内の県・市町村会議員は総数1,306人。内、女性は165人で率にして12.6%。 国は、社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合を、少なくとも30%程度になるようにと目標を掲げ、各分野での女性参画の取組を加速させている。
 例えば、平成24年4月1日現在の本県の審議会等委員への女性登用は、全59機関の審議会で委員総数886人。内、女性は322人で、登用率は36.34%。平成23年度の全国平均の34.6%より上回っているが、本県ではさらに、平成27年度末までに37.5%と目標をたて、審議会等委員への女性の登用を推進していくとのこと。
 また、政策・方針決定過程に占める女性の割合を増やさなくてはならない。平成24年度の愛知県職員(知事部局)の課長級以上の管理職は1,067人で、内、女性は72人。率にして6.7%。ちなみに、内閣府の調査によると、平成23年度の女性公務員の管理職の登用状況は、愛知県は全国で第19位。一方で、平成23年度の女性教員の管理部門(校長・教頭・主任)への登用では名古屋市を除き、全10,531人のうち、女性管理職は30.7%の3,234人と目標の30%をクリアしている。
 今、地方公共団体でも民間企業でも、「ポジティブ・アクション」という言葉がよく使われるようになった。 『ポジティブ・アクション』とは、固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、「営業職に女性がほとんどいない」「課長以上の管理職は男性が大半を占めている」…などの差が男女労働者の間に生じている場合、このような差を解消しようと個々の企業などが行なう積極的な取組のことをいう。 確かに、働く女性は増えているが、まだまだ課長職などの管理職の女性の割合は低いまま。全国でポジティブ・アクションに取組む企業の割合は3割程度ということで、女性がリーダーとしてチカラを発揮するには課題も多い。
 本県では、民間企業の女性中堅社員を対象にした「女性管理職養成セミナー」や講演会などを開講し、行政が民間企業の女性管理職を誕生させる応援団になるユニークな取組をしている。

 知事は女性のやる気と能力を最大限に発揮できるように後押しする「ポジティブ・アクション」について、どのように進めていくのか?

 

知事:

 意思決定をする立場の女性が増えることが、女性が意欲と能力を存分に発揮することにつながると考えている。今年度新たに、県内企業の中堅女性社員を対象とした「女性管理職養成セミナー」を実施して、民間企業における女性管理職の登用を進める支援事業が好評。県庁が率先して女性の登用に取り組んでいくことはもちろんのこと、民間企業においても、女性がますます活躍できるよう、ポジティブ・アクションの支援を積極的に進めていきたい。

 

愛知県の女性の登用状況の一例

●県内の県・市町村会議員1306人の内、女性議員は165人(12.6%)
●審議会等委員への女性登用率は886人中、女性委員は322人(36.34%)
●知事部局の課長級以上の管理職は1067人中、女性は72人(6.7%)

●女性教員の校長・教頭・主任への登用は10531人中、女性は3234人(30.7%)

 

 

「ポジティブ・アクション」とは

営業職にほとんど女性がいない、課長以上の管理職は男性が大半…などの差が男女労働者間に生じている場合、このような差を解消しようと個々の企業などが行なう積極的な取組のこと。

6. 建物の倒壊から命を守る防災対策について

 内閣府が8月末に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定で、マグニチュード9.1の最大級の地震が起きた場合、本県の最大予想死者は23,000人にのぼると推計された。この内の65%にあたる15,000人が建物の倒壊による死者で、冬の深夜に大きく被災した最悪のケースでの試算。しかし、建物倒壊による死者数も、耐震化率と家具の転倒・落下防止対策を100%にできれば15,000人から2,500人に減少できるため、減災対策としての耐震化の重要性が今まで以上に強調されている。本県では年間に約10,000戸の無料耐震診断が実施され、その内、耐震改修工事につながるのは約1割程度とのこと。ここ10年を見ても、平成14年度から23年度までで102,643戸の無料耐震診断が行われ、耐震改修に至ったのは1割にも満たない9,983戸、これが実績。減災対策として命を守る住宅の耐震化を強力に進めていくことが課題であると考えるが、今後、どのように住宅の耐震化に取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。

 

知事:

 住宅の耐震改修については、平成23年度から補助限度額を60万円から90万円に拡大した。 また、耐震改修が進まない要因の一つとして、改修に係る費用が高額となる場合もあるため、県内の大学や関係団体と連携して、安価な耐震改修工法の開発を進めているところである。

 

木造の耐震改修に必要となる平均的な費用は200万円。しかし、特に高齢者世帯では、このように高額な費用をかけてまで耐震改修を行なわないのが現状。今は住宅丸ごと一棟を耐震化するのではなく、家屋の一部(例えば寝室のみ)を耐震化する「耐震シェルター」工法も登場!

 

7. 暴力団排除に向けての取組について

 県民や企業に暴力団への利益供与や取引きを絶つよう求めた「愛知県暴力団排除条例」が2011年4月に施行されて1年半となる。本条例は、警察と自治体、県民、事業者が一体となって暴力団の排除に取り組み、「暴力団に資金を提供しない」「暴力団を利用しない・させない」など、暴力団への資金源を絶つことで、社会と経済を侵食する反社会勢力を弱体化させるねらいがある。そして、暴力団に利益を供与した一般事業者には勧告や公表等の措置を設けているので、はっきりと暴力団に「NO!」と言わなくてはならない。暴力団排除条例の施行を機に、地域社会全体に暴力団をボイコットする機運が高まりを見せ、暴力団が活動しにくくなったと思う。本県警察の最重要課題でもある「弘道会」を中心とした暴力団の壊滅に向けての意気込みについて、先月就任された警察本部長に伺う。

 

警察本部長:

 条例施行後、暴力団がその組織や活動の実態を隠蔽したり、偽装するような状況が認められる。暴力団等から県民を守るための取組については、暴力団等から危害を受けるおそれのある人を保護対象者として指定し、危害を未然防止するための警戒活動等を行っている。本年6月には新たに「身辺警戒員」の制度を発足させ、保護対策に万全を尽くしている。

 

8. 5年連続全国ワースト

「住宅対象侵入盗」の取組について

 愛知県警が重点的に対策を講じている10の重点罪種のうち、「住宅対象侵入盗」「自動販売機ねらい」「自動車盗」は全国ワースト。特に、5年連続ワーストの「住宅対象侵入盗」は、平成24年上半期の認知件数3,310件で、尾張部が1,319件で全体の約4割を占めている。また、被害時の特徴として、県全体の約30%が『無施錠』で被害に遭い、尾張部においてはナント!62.1%が無施錠で忍込み被害に遭っている。このように、10人に6人が夜、鍵をかけず寝ている時などにドロボウに入られるような防犯意識の薄い県民が多いことについて、命と財産を守るために確実な施錠を定着させるにはどのような取組を行っていくのか…警察本部長に見解を伺う。

 

警察本部長:

 県内における住宅対象侵入盗の約2割が無施錠で被害にあい、中でも忍込みの無施錠率は5割を超えている。このため、本年2月以降、無施錠被害が多い74学区を「無締り対策強化地区」に指定し、警察官が被害現場の写真等を活用して施錠の重要性を訴える防犯講話のほか、窓など危険箇所の点検や防犯ガラス、補助錠の取り付けなど侵入されにくい環境づくりを、警察官が現地に出向いて指導する防犯診断を実施している。

 

9. 交通事故死者数、ワースト1位返上への取組

 本県の交通死亡事故の特徴として、飲酒運転に関連する交通死亡事故が20年から22年まで3年連続全国ワースト1位であること、シートベルト非着用者の比率が高いこと、が挙げられる。 愛知県には交通ルールを守らない、交通マナーが悪いドライバーが多く、通称「名古屋走り」と揶揄されている。 愛知県警では、こうした「名古屋走り」に代表されるように、県民の「交通モラル」に関するアンケートを実施したところ、交通モラルの低さと交通事故との関係を、大半の人が「大いにある」と答え、モラルの低いイメージを「恥ずかしい」と答えている。そこで、
「名古屋走り」の実態を問う、アンケート調査の結果に対する警察本部長の所見を伺う。

 

警察本部長:

 「名古屋走り」については、法令に違反する悪質危険な運転行為と認識し、法令遵守など交通モラルの向上に向けた取組を一層推進していく。

 

これが「名古屋走り」だ!

●進路変更する時も方向指示器はださない

●道路の車線をまたいで走る

●右折専用レーンに並んでいても、いきなり直進レーンに割り込む

●黄色から赤にかわる瞬間なら突っ込め!

●歩行者信号の点滅を機に見切り発車するフライング(名古屋スタート)