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●県議会活動 (本会議での主な質問)

本会議での質問
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■平成29年3月8日、愛知県議会2月定例会「議案質疑」
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『子どもの貧困調査費』および
子どもの学習支援事業費』について


 日本の子どもの貧困率16.3%は、所得が標準の半分未満の年間所得122万円未満の貧困世帯で暮らす17歳以下の子どもの割合で、その背景にあるのは格差の拡大、離婚などによるひとり親世帯、とりわけ母子世帯の増加。働く母親の多くが非正規雇用であり、その年間総収入は200万円以下の低所得世帯が約6割。子どもの貧困対策は喫緊の課題と捉えられながらも、各都道府県ごとの子どもの貧困率は公表されておらず、本県では子どもの貧困対策で実効性ある取組みのためには、まずは子どもの生活実態や子育て支援ニーズ、経済的要因が及ぼす影響などを調査・分析し、子どもの貧困の実態を知る必要がある!と、全体に占める生活困窮層の割合を示す「子どもの相対的貧困率」の算出を目標に『愛知こども調査』を昨年12月に行った。名古屋市を含む県内全域の小中学生家庭の生活実態を調査するために、小学1年生と5年生、中学2年生の子ども及び保護者33,635人(これは全対象者の1割に相当)を無作為で抽出。
 同調査には、有識者による「子どもの貧困対策検討会議」を立ち上げ、「愛知県ひとり親家庭等実態調査」も同時に実施。この2月14日には、中間報告の結果と回収率が70.6%であったことが公表された。暫定集計の結果では「現在の暮らし向きで苦しい・やや苦しい」と回答した割合は全体の3割を占め、世帯収入は年収400~600万円の世帯が最多。貧困の状況が読み取れる年収200万円未満の割合は約3~5%、児童扶養手当・特別児童扶養手当を受給しているのはいずれも約8%、生活保護を受給しているのは約0.3~0.4%だった。一方、勉強や暮らし向きについて尋ねると「有料の習い事をしている小学生は約6割、学習塾・通信教育・家庭教師などを利用している中学生は約7割、小学校5年生でも半数を超え、かたや「無料学習塾への参加意向」は約6割、「こども食堂」への参加意向も約3割あった。

Q:この「愛知こども調査」の回収・回答結果は、本県の貧困の傾向を把握する貴重なデータであり、今後の子どもの貧困対策を講ずるベースにもなるが、「愛知子ども調査」の質問項目の主な内容、検討の過程については?


【健康福祉部長】

「子どもの健康状況」や「学習塾等の利用状況」、「保護者が子どもに期待する学歴」、「保護者の経済状況」や「福祉施策の利用状況」等を質問項目に、支援の方向性が見出せるように子どもの困難な状態と併せて、どう行動しているのかが分かる内容とした。

Q:「子どもの相対的貧困率」と貧困にかかる子どもの生活実態の分析は?

【健康福祉部長】
「子どもの相対的貧困率」は、帯収入や世帯人数により算出。貧困にかかる子どもの生活実態は「世帯収入」を基本項目とし、貧困の状況にある方の「現在の暮らし向き」や「親の就業形態」、「親の学歴」、「親の15歳の頃の暮らし向き」等、複数の質問を組み合わせたクロス集計を行い、貧困の連鎖の状況や生活困窮世帯における子どもの状況、特有の課題、必要な支援等を浮かび上がらせる。


 平成24年度に実施した『愛知県ひとり親家庭等実態調査』では、母子家庭の平均世帯収入は185万1000円で、8割が家計が苦しいと答え、その要因に「子どもの教育費がかかる」と回答。母子家庭の傾向として、様々な事情で生活保護を断念する「準要保護」の傾向が強い。

Q:ひとり親家庭等実態調査で実態をより詳しく把握するために工夫したことは?

【健康福祉部長】
ひとり親家庭等実態調査は、名古屋市を含む県全体で母子・父子・寡婦合わせて6,585世帯に配布、回収率は23.1%。今回の調査項目では、家計支出額の状況や、ゲーム機や携帯電話等の所持の有無、朝食・夕食を一緒に食べる頻度等を追加。また、離婚後の子どもの養育費や別れた相手方と子どもの面会交流について聞き、全調査項目は前回の76から88項目へと増やした。
 
 経済的に苦しい家庭向けに学用品代や修学旅行費、給食費など、学校生活でかかる経費を支援する本県の「就学援助制度」で、給食費の援助対象は、平成25年度に学校給食費の援助を受けた児童生徒数は59,367人、26年度は59,470人であり、児童生徒は全小中学生の10%程度(全国平均は15%程度)であり、6万人程度の子どもたちが給食費の援助を受けている。

 さて、貧困は子どもの学力にも影響し、高校進学を断念する子どももいる。厚生労働省の調査では、本県の生活保護世帯の子どもの高等学校等進学率は84.9%(全国92.8%)、一方で、中学校卒業後に就職する割合は5.3%(全国1.7%)と、本県の生活困窮世帯の子どもたちは高校進学よりも中学校卒業で就職を選ぶ特性にある。生活困窮世帯等の子どもの「貧困の連鎖」を断ち切るためには、高校進学を目指せる学習支援体制が必要!
そこで本県が新年度から実施予定の「子どもの学習支援事業」は、生活困窮世帯等の子どもを対象に「教育の支援」として、尾張・海部・知多・西三河の県福祉事務所所管の町村域で各1か所ずつ、授業の復習や宿題の習慣づけのための学習支援と、子どもが安心して通える居場所の提供等を行う。学習支援を行うNPOや社会福祉法人等へ事業を委託し、定員は1か所あたり12名程度を予定。こうした学習支援事業は、経済的に苦しい家庭の子供たちに無償で勉強を教え、子供の居場所作りをすることで、学校機能だけでは難しい個別の手厚い支援を実現できる最も効果的なセーフティーネット。

Q:子どもの学習支援事業の今後の予定と課題は?

【健康福祉部長】
県福祉事務所管内の町村から4町村を選定した上で、学習支援を実施するNPOや社会福祉法人等を公募し、企画提案により最も効果的な事業を行うことができる委託先を選定、来年度の早い段階から事業を開始する。学習支援の場所としては、公民館等の公共的な施設を想定。

Q:また、この学習支援事業では、生活保護の手前のセーフティーネットとして自治体が設置する生活困窮者自立相談窓口と、この学習支援事業と一体として進められる相談支援について、どのように連携して取組んでいくのか?

【健康福祉部長】
新たに配置する学習支援コーディネーターが、子どもやその保護者に対して、学習相談の他、子どもたちの学校生活や日常生活上の悩みの相談に応じ、その相談の中で保護者自身が経済的困窮や就労の問題を抱えていることを把握した場合は、生活困窮者自立相談支援窓口の相談支援員に連絡して自立支援につないでいき、貧困の連鎖を食い止めていきたい。
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